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シリーズ「人と決まり」 4.海上保安部(監視船)

 確か1995年頃だと記憶している。津軽海峡でも西側は何回か泳いでいるので東側、つまり青森の下北半島佐井から北海道の函館市汐首の間を泳ぐ計画を立てた。東側はおそらく初の遠泳で、障害者と健常児によるリレー方式だ。
 この時、青森の船を使った。それはご当地の漁協が所有する密漁監視船だった。当時、この漁協では「休漁日(きゅうりょうび)」と呼んで週に一日だけ出漁をしてはいけない日を設けていた。
 ところで海峡横断泳などちょっとした規模の遠泳は小潮の天気の良い日に泳ぎたい。つまり自然の都合は人間の都合とは違うのだ。泳ぐのに都合が良い日は休漁日だろうが何だろうが泳ぎたい。逆を言えば泳ぐのに都合が良い日は休漁日と無関係。更に年に数回しかないチャンス。そのチャンスを見逃したくない。
 漁協に加盟している船は、休漁日にいかなる目的であろうとも出すことを禁止している。だから泳ぐための伴走目的であろうとも船は出せないのだ。
 ところが密漁に来る船は曜日に関係がない。昨今のサンゴを狙った中国漁船ではないが、そこは無法地帯になるので捕り放題になる。まあほぼ泥棒行為に近いので、密漁者は昨今の「育てる漁業」など考えていない。
 そんな密漁を阻止するための監視船だ。必要とあればいつでも出て行く。
 漁協の決まりとして漁船は出せないが、監視船なら良いだろうということになった。この監視船には旅客定員も持っている。更に組合長自ら操舵してくれることになった。嬉しい限りだ。
 ここで法律上の詳細はちょっと省略するとして、純然たる漁船は船員(漁師)以外乗れないことになっている。ところが漁師をしながらも釣り船もやろうと考える漁師は、旅客(釣り師)を乗せるための検査に船を合格させた。このような船を「小型遊漁兼用船」と呼ぶ。
 当時、遠泳の伴走を頼むとき、この小型遊漁兼用船の船を探した。旅客定員を持っているからだ。だがこれを海上保安部に届けると「これ(遠泳)は遊漁(釣り)ではないだろう」と受理してくれないのだ。
 ここで海上保安部(公務員)のずるいところ。「違う」と言うだけで正解は絶対に教えてくれない。つまり行政機関ではあるが、管轄が国土交通省ではないからだ。口では言わないが、顔が言っている。「答えは国土交通省に聞け」と。
 そこで小型船舶を国(国土交通省)に代わって検査事務及び登録事務を行う「日本小型船舶検査機構(JCI)」に行って「海上保安部でこのように言われてきた」と相談した。
 するとJCIの担当者も「ウ~~~ン・・・」と頭を抱えてしまった。何故ならば釣りのためはあっても遠泳のための小型船など存在しないからだ。
 誰だって遠泳で安全性を高めようと思えば船を側に着けるとわかることだ。ところがそれが法制化されていない。言い換えると答えは無い。鯔の詰まり、頭を絞った挙句に「監視船」ということで“臨時航行許可書”を取った。
 管轄する国土交通省(JCI)が「ウ~~~ン・・・」と頭を抱えるような難問に、管轄外の海上保安部のために臨時航行許可書を取る。更に本来なら臨時航行をする場合はその理由や場所によって船の設備や搭載船具の検査をしなければならない。ところが小型遊漁兼用船が監視船になったところで何ら設備や船具の変更がない。つまり書類だけが一時期変更するだけで、船舶を検査するわけではない。これっておかしくない?
 人によっては「書類だけで済むなら簡単で良い」という輩もいるが、検査もしないこの法律、まったく私には意味が解らない。逆を言えば書類変更だけで手数料が発生する。答えもないのに。。。。。。
 現にこの書類(臨時航行許可書)、海上保安部に持って行っても保安官は見もしない。おそらく彼らも「答えはない」と知っているからだ。「変更した」ということに意味があるらしい。(バカバカしい!←私)

 ちなみにこの法律、2002(平成14)年に規制緩和で「小型遊漁兼用船」は「小型兼用船」と“遊漁”が取れた。意味は「遊漁(釣り)以外でも使って良い」ということだ。
 当時、国(旧:運輸省)に向けて「意味のない法律」として私は抗議した。おそらく同様に思った人はたくさんいたのだろう。国(国土交通省)は「時代の変化に伴い、多様化するニーズに云々」と相変わらず上目線での答弁だったが、規制緩和には成功した。したがって今は“小型兼用船”を遠泳に使用して何ら問題がない。
 尚、小型船の詳細についてはJCIから問い合わせて欲しい。

 さて話を戻そう。津軽海峡を泳いで渡るために“密漁監視船”を使うという話だ。もちろん2002年の法改正(規制緩和)の前だ。海上保安部では「密漁の監視ではないだろう」と言う。『ああまた来たよ。答えもないのに。。。。』と思っていると、「この書類(船舶検査証書)、見なかったことにしよう」と保安官の方から言ってきた。
 ありがたかった。『ああこの保安官、分かっているな』と思った。何だかとても嬉しかった。
 前にもこのブログに書いた記憶がある。海上保安部に遠泳届を提出に行った。当時は担当が警備・救難課(現在は「交通課」)である。この届を出しに行った数日前に当地では大雨が降り、子どもが河川に流され海まで至ってしまったらしい。そこで警備・救難課では大忙しのようだった。
 そんなところに届を提出に来た私に、担当者大忙しで上司と思しき保安官が受け付けてくれた。その時、「水泳国日本の名を世界に広めて欲しい」と言って“ドン”と受理印を捺印してくれた。
 もちろん、大忙しの最中でも保安官と私のやり取りを見ていた担当保安官は迷惑そうな視線でこちらを見ていたことが印象的に覚えている。
 この時も嬉しかった。バックでは子どもの水難で大騒ぎしている中、海を泳ぐ行為に後押ししてくれた。『この保安官のためにも絶対に失敗は許されない』と私は心に誓った。

 さて、最近に思うことは規制緩和などで海上保安部も過去の官僚的態度からかなり緩和された。それはそれで『良いことだ』とは思っているが、結局は法律の外か内かを見ているだけで、自身の判断がそこに無いことが寂しい。
 そうそう、こんなこともあった。海上保安部へ遠泳届の提出に行った折、担当保安官は私の話をジックリと聞いた後、新米と思しき若い保安官を呼んで遠泳の計画書を読ませた後に「お前だったらどう思う」と聞いた。
 すると「危険なのでやめさせた方が良いと思います」との答え。この答の裏には“上司を満足させるための答”としか感じなかった。それは上司の保安官も同様に感じたようで、上司保安官と私は眼を合わせて寂しそうにため息をついた。
 新米保安官には申し訳ないが、これはテストのようだった。
 もちろん海上保安部を出る私の手には受理印の捺印された書類があることは言うまでもない。

 皆さん、最近、増えたと思いませんか? 決まりがないと自分で判断できない人。スポーツマンシップとかシーマンシップ(次回掲載)とかは何処に行っちゃったんですかねぇ~?

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