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わくわく、どきどき、台風の目。

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2006年 「月に向かって泳げ!」(4/5)

~サポーター(トラ)から見たドーバー~

4.いろいろ
 11時頃、我々の船は再びドーバーとカレーを結ぶフェリーの航路上に入って行った。常時フェリーは3隻くらい見える。「まあよく通るなぁ~・・・」と感心して見ていると、「ん、ゴミかな?」と思った黒い物体が沈んで行った。距離にして50mくらい。しかしゴミなら波に揺られて再び浮いて来るはず。ところがそのゴミは浮いてこなかった。「ま、いっか!」とゴミの正体を見破る作業はあきらめた。だがまたゴミが現れては沈んで行った。「よし、ゴミの正体をつきとめてやる!」とさっき沈んだゴミ周辺の海域を注意深く見つめていた。「出た!」、イルカである。イルカがフェリーを追いかけていたのだ。すかさずカメラを持って来て撮影しようとするが、恥ずかしがり屋のイルカなのであろう、カメラを持って来ると現れない。あきらめてカメラを置いてくると現れた。どうもフェリーをあきらめて、こちらに興味を変えたようだ。二頭のイルカがこちらに向かっている。「チャンス!」と思い再びカメラを持って来るが、恥ずかしがり屋のイルカは潜って出て来ない。そこで撮影はあきらめた。しかしその後数回このイルカにはお会いした。
 イルカの存在など知る由も無く眞壁さんは泳ぎ続けている。GPSの航路の位置計測でほぼ藤田さんと同スピードで泳いでいるのがわかる。「そろそろ転流だな・・・」と思うとちゃんと転流するのだ。その内晴れていた空が曇り始めた。曇りではない。霧なのだ。もっと正確な表現をすれば、霧の中に我々が入って行ったと言った方が正しい。気温はグングン下がり、19℃、18℃と下がっていった。吐く息が白いのだ。トニーも私も同時に上着を着込んだ。お互いが同じことをしているので顔を合わせて笑った。幸いにもスイマーの眞壁さんにはわかっていないようだ。まあマイナスの要因が働くような状況をスイマーは知らない方が良い。しかしこの霧も面白い。「霧」と言うより上空5mに漂う「雲」なのだ。だから大型船が接近すると船体は見えているものの、甲板から上部は雲の中だ。したがって操舵室のパイロットからは外界が見えない。だから「ボー、ボー」と汽笛を鳴らしながら航海しているのだ。そんな霧の中を我々は進んで行った。
 霧(雲?)を出たのは午後4時頃だったように思う。フランスがハッキリ見えて、イギリスは霧(雲?)の向こうで見えなくなっていた。遠泳は単調な作業が続く。時間を見て計測して栄養補給をさせて記録を取る。私の作業はこれが延々と続くのだ。このくらいになってくると船全体のチームワークと言うか、スイマーの眞壁さんを中心としたハーモニーが出来上がってくる。言葉を超えてお互いがお互いを理解しているのだ。トニーが「お茶を飲まないか」と紅茶をマグカップいっぱいに入れてくれる。「飯を喰わないか」とクリスが食事を作って持ってきてくれる。私はこんなコミュニケーションがとれる輪の中に存在しているのが好きだ。サイモンとも仲良くなった。全員が眞壁さんの成功に向かって持ち場をこなしている。
 トニーの娘、すなわちサイモンにはお姉さんがいて、そのお姉さんはドーバーを泳いだ経験があるらしい。そのドーバー泳に感動したトニーは息子のサイモンにも同じ感動を味あわせたいと、オブザーバーをやらせているらしい。仲良し親子だ。
 風が吹いたのは午後5時頃に1時間くらい南の風が2~3m吹いただけで、それ以外は風も無い。したがって潮流は風など外界からの影響が少ないので、面白いように流れがわかる。転流時はホントにベタッとして海面が誰も泳いでいないジャンボプールのように平面となる。ところがこれが急流時になるとまるで川瀬のように波打って流れる。まあ日本の種子島から黒潮に乗って24時間泳いだ時(1993年夏)、やはり急流の潮で海面が凸凹になり、まるでスキー、モーグル競技のバーンのようになる。ひとつのコブの高さは2m程度で、これが四方八方に生まれる。これを「海瀬」と呼ぶらしいが、海にも「瀬」はあるのだ。
 いずれにせよ今回のドーバーが私の経験の中では1番風が無い。まあ霧が生まれるのは風が無い証拠だからだが、これほど無いのも珍しい。おそらく最もベーシックなドーバーを味わったスイマーが眞壁さんだと思う。その証拠ではないがナビでグリネ岬を目的地に取ったとき、グリネは右90゜方向でグリネにはぜんぜん近づかなかったものの、6時間後の転流でハーフポイントを過ぎるとまっすぐグリネに向かった。この時のスピードは流れも加わるので時速8kmを越していた。ところが再び6時間後の転流で今度はグリネから離れて行く。そうこうしているうちに夜の闇を迎えていくのだった。
 ちなみに眞壁さんの到着したフランスのビーチは、2001年2-wayリレーで小田切さんが折り返した場所、2002年1-wayソロでやはり小田切さんがゴールした場所、2005年1-wayソロで藤田さんがゴールした場所に近い。まあ小田切さんや藤田さんは明るいうちにゴールしたのでイメージがつかめるが、どんなところかを例えて言えば、千葉の九十九里浜のように延々と続く遠浅の浜を想像してもらえたら良い。まあ違うのは九十九里浜ほどフランスの浜は家が無いという点だ。いずれにせよこの例えも関東近県の人にしかわからないと思うが、なんとなくイメージは湧いただろうか?
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