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わくわく、どきどき、台風の目。

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2009年4月の記事

「キンちゃんが行く」Vol.27

  1. 淡島~大瀬崎2-way

日付:2009年4月14日(火)
場所:静岡県沼津市淡島~大瀬埼間(約10km)
泳者:キン
方法:2-way solo swim = 20km
結果:1st leg: 淡島 07:02 ⇒ 大瀬崎 09:58 2時間56分
   2nd leg: 大瀬崎 09:58 ⇒ 淡島 14:08  4時間10分
   合計=7時間06分
概況:天気 曇りのち雨
   視界 1~6海里
   風向 主に南
   風速 1.0~3.2m/sec
   気温 15.3~17.1℃
   水温 15.8~16.8℃
   波高 0.5m
   ピッチ 62~65回/分
   補給 炭水化物+果糖+茶類=300ml/40分毎
   流向 主に西
   流速 0.0~0.5kn
潮汐:内浦三津(北緯 35度01.0分 東経 138度54.0分)
   日出 05:13       日入 18: 16
   月出 05:04       月入 17:40
   月齢 18.45       潮名 中潮
   干潮 01:33 0.78m    満潮 06:57 1.40m
   干潮 13:54 0.33m    満潮 20:55 1.30m

  2. 目標 最近のプール練習(多忙に日々から気付くこと)

Ssmalp4140001 前回の「キンちゃんが行くVol.26」でも書きましたが、私の仕事「フジタヤ」は和菓子製造業です。この和菓子は生菓子、生菓子は鮮度が命です。完成した商品をその日に販売する。イコール仕事の開始時間が朝の4時とか5時とか、普通のサラリーマンなどに比べるとかなり早い時間から働き始めています。10時に開店するスーパーなどに間に合わせるためですが、追加注文があればサッと作ってサッと配達をしなければなりません。これが多忙なシーズンともなると生産と注文が鼬(いたち)ごっこになり、フジタヤはフル操業になるのです。
 特に3月はお雛様から始まり、お彼岸、お花見と続きます。そんな多忙な日々が続く3月22日の日曜日、前歯(仮歯)が一本取れてしまいました。それでも前々回の海練習(3月26日)で泳ぎましたが、翌27日には割れたガラスコップの破片で指を深く切ってしまい、その日はプールに行くのをやめました。
 翌28日は18時に仕事が終わったものの、歯が無いのと切った指先が気になり、石井コーチに「どうしたらいい?」と相談しました。再来週(4月7日)は海練習があるのに、傷口が心配だったからです。
 石井コーチは障害者を相手に水泳指導をしているせいか、応急手当をよく知っていて、おっちょこちょいの私が怪我をするといつも「どうしたらいい?」と相談します。この日も電話の向こうから問診が始まり、一応に答えると
石井「大丈夫。仕事中に指先が痛かったら患部にバンドエイドでも貼って、普段は何も貼らずに傷口を乾かしなさい。プールも大丈夫。練習しなさい。」
とのこと。
Ssmalp4140002 「仕方ない、1000mくらい泳ぐか!」と、遅くなりながらも軽い気持ちで泳ぎだしたら50m55秒イーブンで泳げます。なかなか調子が良く、同じようにロングを泳ぐ人が入ってきたのでなかなか途中で泳ぎを止めることも出来ず、結局2000mも泳いでしまいました。
 泳いでいてしんどかったけど、楽しかったです。何せ朝早い仕事なので20時くらいまでには家に帰って休みたいのです。
 翌29日の日曜日も安城マスターズの人たちと偶然会い、4人でピラミッド形式のプル、キック、コンビのインターバルをやり、3000m泳ぎました。でも会う前に自分の練習をやっており、その後ダウンをしたら、結果5000m泳ぎました。何だか充実した日が送れ、その週は“泳ぐって凄く楽しい!”と感じた日々でした。
 それでも“お花見シーズン”の仕事が忙しく、自由に泳げる暇も無く、やっと4月1日にいつものプールでの朝練習。“高橋トライアスロンステーション”の高野コーチにメニューを組んで貰って4500m泳ぎました。
 久しぶりの練習にこれほど身体に故障もなく、充実し、泳げる自分が「こんなに水泳って楽しいんだ!」と気付き、今日の目標は「一日で10km泳ぐこと!」と決めました。
 11時から仕事だったので朝練習が終わってから別のプールに行き、朝練習のおさらいがてら泳げるだけ泳ぎ(2000m)、夕方3500m(50mを52秒イーブンで)泳ぎ、結構速いスピードで回せた自分に満足し、今日は泳いでいて楽しい自分がそこにいました。
 仕事に追われて泳ぐ時間がなかった日々、泳ぐ時間が毎日あったにも係わらず、何らかの理由でプールへ行かなかった日々を比べ、私は泳ぐことの充実感から今の生活で足りなかった自分を新たに発見出来、海練習にこの“泳ぐ楽しさ”を取り入れたいと感じました。
 すると前回(4月7日)の海練習は成功しました。それまで“寒い”だの“辛い”だので途中で止めてしまい、石井コーチや船頭の菊池さんをガッカリさせてきました。それは寒いとか辛いは事実ですが、“泳ぎを楽しむ”と言う部分では別物でした。
 気が付いたことは、毎日毎日プールに行くことが出来る自分は「はぁ~、今日は何やろうかなぁ~?」とか、「昨日の疲れが残っているなぁ~・・・」とか、平々凡々と空いている時間をダラリダラリと過ごしていたように思えます。
 しかしまったくプールに行かれない自分が久しぶりに泳ぐとスゴク楽しい! この時期、ようやくそのギャップに気付きました。少し鈍い頭なので気付くことが遅いですが、気付いて良かったと思います。
 海練習も月に二回しか出来ません。もっともっと大切な時間を大事にして泳ぎたい。泳ぐのが楽しくて楽しくて仕方がない自分を取り戻したいと願い、今回の海練習に臨みました。
 ちなみに歯はすでに歯医者さんで治療済みですご心配なく!!

  3. レポート

Ssmalp4140008 だいたい元気な時は海練習の行きや帰りの電車、バスの中、携帯をパチパチさせながら原稿の下書きを打っています。今日(4月13日)は先週7日の海練習の原稿が少し残っており、パチパチしていましたが、やっと終わりました。早くパチパチしないとまた次の原稿のパチパチが貯まってしまうからです。
 それからフジタヤで働くパートさんの一人に読書家がおり、キンのレポートの愛好家でもある一見ヤクザ風(?)でお笑い人間に間違えられそうな感じの方から一冊の本を貰いました。
 「日本の川を旅する」カヌー単独行(野田知佑)
パート「美幸さんの原稿の書き方がよく似ているし、冒険家の小説だからきっと合っていると思うよ。」
と言われ、なかなか本を読む時間が作れない私にとって絶好の良い時間が空き、夢中になって読みました。
 なかなか面白いし小説には「川旅は男の世界だ!」と書いてありましたが、「女の私では無理なのであろうか?」と考えてしまいます。まあ川旅なんてやったことはありませんが、「どんなものかやってみたいなぁ~。」と思います。
 何だかスゴク勉強になりそうな気がしてきました。まだまだ全部読むには時間がかかりますが、読み出せば“あっ”という間でしょう。
パート「今日も一冊本を読んでしまったが、美幸さん、本って読むと本当にいいよ。」
と言います。
 泳ぐことを私が好きなように、本を読むことが好きで何かを得るものがあるんだと、それが楽しみで読んでいるのであろうと「最終的には遠泳と変わらないんじゃないのかな」と私は思いました。
 この本を読み終わったら、「別の本を貰おう!」と考えている図々しいキンであります。

  4. 再び事件が・・・

Ssmalp4140012 最近は事件が多く、昨夜も主人から電話が入りました。
主人「13日に買ったおはぎが“3日の日付になって売っている”とお客様から電話が入ったけど、日付の打ち間違いか? 他の店は皆13日になっているが、おかしい。印刷の加減を見ても、この印刷は3日にしたものだよ。お客様からおはぎを回収したが、カチカチになりすぎており、当日の商品ではない。増してや一日経ったおはぎを冷蔵庫に入れても硬くなりすぎだ。」
と言います。
 今回は「何もないように!」と海練習に臨もうとしましたが、そうは問屋が下ろさず眠れずに次の日を迎えました。

  5. 天候

Ssmalp4140019_2 その事件が尾を引いているのか、練習日当日は朝から雨。昨日までずっと晴れており、暑い日が続いていたのに、天気予報では水曜日が雨マークだったのに、何故、火曜日から朝から雨? 昨日の事件と共に空模様を見ながら心も暗くなり、昨日までの「3-wayは行けそう!」な自分が、今日は「2-wayが大丈夫か?」と弱気になり、心配で仕方ありませんでした。
 6時30分に港集合。重い腰・・・、いえいえ、重い図体をようやく持ち上げたのです。

  6. 春の海

Ssmalp4140023 海は調度満潮で、今日は釣船が朝から8隻出ていたので、「今日は泳ぎながら何隻見るか数えてみよう。」と考えていました。水温が低いと魚は動かず釣れないらしいですが、多分、水温が上がったに違いありません。
 気温は15.3℃、徐々に水温の方も上がってきています。
菊地「今日も完泳を目指しなさい。」
キン「は~い!」
 海の色は、春の海へと変わっていました。

  7. お喋りは禁物

Ssmalp4140029 水温と気温の温度差で始め入るのは冷たく感じますが、泳ぎ出せば身体は硬いものの、2kmも泳げば自分の泳ぎに戻ってきます。掌もそうかじかまず、足の裏もそんなに冷たさを感じませんでしたが、2回目の補給から急にヒンヤリ。1℃は下がった感じです。いつもなら大瀬崎付近の方が暖かいのに、今回は違うようです。
 岸から見た釣船は「1時間半くらい泳いだ位置にいるな。」と計算したものの、案外速く1時間くらいで始めの船にお目にかかり、最後の船は2時間目の補給で確認しました。8隻全部見たのです。泳遠中にこういうことを考えながら、自分の岸から見た距離と実際に泳いだ距離と比較するのはゲーム感覚で楽しいものです。
 水温が温かいせいか、補給の時に石井コーチと遊びだしました。補給品を私はワザとゆっくり飲んだり溢したり、補給時のフォーンが鳴っているのに聞こえないフリしてずっと泳いだりで、その間、コーチは息が切れるまでフォーンを鳴らし続けているのです。
 「バカ~、アホウ~!」と怒鳴っているのがわかりますが、船の中は笑いが絶えません。
菊地「やっとキンちゃんの泳ぎになってきた!」
と笑っています。
 ようやく船の中も明るい雰囲気になってきました。水温が低いと余裕がなく、こんなことは必ずしも出来ないし、考える余裕もありません。
 と、私の左手の人差し指に何か当たりました。因りによってこの前、ガラスコップの破片で切ったまだ痛みが残る部分に!
 漂流しているペットボトルです。ビックリして泳ぎを中断し、
キン「コーチの仕業か?」
と叫びます!
 いつもなら教えてくれるのに、船の上から「ぶつかるな~? ぶつかるな~?」と見ていたらしく、またもや船の中は笑いが絶えませんでした。
090414_083009 逆に私がさっきから船の中を観察していると、コーチはキンが握ったおにぎりと野沢菜しか食べていません。「カップラーメン無くなったかな? 可哀相に・・・、」と見ていたら、大雨の中でカップラーメンを作りだしました。普通の人なら「こんな大雨の中で、わざわざ食べない!」と思いますが、肝っ玉が太いコーチはそれを意図も簡単にやってのけてしまいます。
 それは後1時間くらいで淡島に着く頃の出来事でした。「3分経ったか?」、合羽の大きなフードを傘代わりに雨を避け、コーチは食べだしました。5つ握った最後のおにぎりにかぶりつき、カップラーメンの汁を飲もうと今まで下を向いていた顔を上げると、それまで合羽についていた雨の雫がラーメンのカップの中にドドドッと入ってしまいました。それでもめげずに食べている姿を見ると、コーチらしくて笑けて(笑えて)きてしまいます。
 後で聞いたら「初めはおにぎりのおかずに野沢菜があったが、最後の一つは“何をおかずに”と考え、“カップラーメンの汁がいい!”」となったそうです。でも本当に良かったよ。キンは40分毎に栄養補給を飲んでお腹が膨れているのに、コーチがおにぎりだけじゃなくて、カップラーメンもあってさ!
 面白い眼の保養もしてくれたし、遠泳にカップラーメンは必需品ですね!
 淡島に近づくにつれて何かパフォーマンスをしようと考えました。行きが満潮でしたので帰りは干潮。当然、岩だらけの岸辺にはたどり着く事はなく、水面から手を挙げてフイニッシュです。そして梯子まで泳ぐのですが、ワザと通り過ぎて
キン「ああ、行き過ぎちゃった!」
と笑いながら戻るのです。
石井「大瀬まで行けぇ~!」
とコーチが怒鳴ります。
キン「やだピョーン! 今日は快調、快調! 今は干潮!」
と“親父ギャグ”を飛ばしながら梯子を登って行きました。
 それでもやはり船に上がれば寒いです。今日はお天道様が出てないし、雨だし・・・。検査着の上に黄色いポンチョを着ましたよ。
 そんなこんなで楽しい遠泳が出来、前回みたいな「ゆっくり泳げば着くよ。」は一回も考えませんでした。それは楽しい、楽しい遠泳でした。

  8. 静浦東小学校

Ssmalp4140030 今日は前からお約束していた静浦東小学校の教頭先生とお話しする日で、「私の海練習が終わってからで、」ということで16時に待ち合わせしました。
 聞けば静浦東小では毎年の行事に“遠泳”を取り組んでいて、それは海を面した地元の小学校でも唯一遠泳を実施している学校で、70年以上もそれは続いているようです。
 6月半ばから週に4日ぐらい“ゆとりの時間”に1時間半ずつプールで水泳練習をして、実際の遠泳は長いので3km、短いのは500mという内容です。
 「オープンウォーターのレースでも開催できてしまうなぁ~、」と子供たちの偉大さに感心してしまいました。ですが先の文部科学省新しい方針で、4月からは“ゆとりの時間”が減り、学力強化に内容が変わるようです。水泳の練習時間が減り、遠泳の企画継続が難しいとか・・・。
教頭「この小学校を卒業したご両親も、そのまたお祖父さんもお祖母さんも泳いだことのある、70年以上も続いた行事を変えたくないんです。」
とおっしゃっておりました。
 「そうだよな、地元に住んでいらっしゃるからの伝統的な行事であり、家族全員で話しが分かり合え、応援の出来る行事。昔話しが出来、家族団欒が出来る大事な行事。今の社会で勉強以外での何かを学ぶことが出来る行事。出来る限りそのままで継続して欲しい!」と望みました。
 話は反れましたがこういう行事をやっているということで、前に西浦小学校で講演したこともあり、西浦小の校長先生からの導きで静浦東小から電話があり、「ドーバー泳について話が聞きたい。」ということで行きました。
 遠泳については余りよく知らない教頭先生も、私たちの話を真剣に興味心身で聞き、接して下さり、本当にありがとうございました。
 少し学校を訪れる時間が遅くなりましたが、待っていてくださってありがとうございました。もし講演する機会があれば、「少しでもお役に立てれば、」と考えております。口下手ですが、今までの経験を小学生の気持ちになって思いを伝え、話そうと思っております。

  9. 反省会

Ssmalp4140031 18時、菊地さん宅で反省会が始まります。今日の海練習の出来事、最近、私の暮らしであった出来事を話します。海練習も楽しいですが、反省会も泳げた日はお説教がないから楽しいです。
 まあお説教は自分のためですが・・・。毎回毎回、旬なお料理が出てきて、私はいつもお母さんにお料理方法を教えていただき、家で作っています。大分煮物のレパートリーが増えましたよ!
 「美味しい? まずい?」と従業員さんパートさんに聞き、お世辞を言いながらも食べてくれます。ですから遠泳に来て痩せることはありません。
 泳いでいるときの愛情のこもった栄養補給に反省会の時の晩御飯、そして民宿「桂」の次の日の朝ご飯。贅沢しています。とっても美味しいです。だからこれからもずっとデブで泳ぎ続けます。もし痩せた私を見たら、何か差し入れお願いします。皆さん、デブの応援、よろしくお願いします。

「キンちゃんが行く」Vol.26

   1. 淡島~大瀬崎2-way

日付:2009年4月7日(火)
場所:静岡県沼津市淡島~大瀬埼間(約10km)
泳者:キン
方法:2-way solo swim = 20km
結果:1st leg: 淡島 07:53 ⇒ 大瀬崎 11:07 3時間14分
   2nd leg: 大瀬崎 11:07 ⇒ 淡島 14:39  3時間32分
   合計=6時間46分
概況:天気 晴れ
   視界 5~7海里
   風向 主に西
   風速 2.2~5.1m/sec
   気温 12.0~20.4℃
   水温 14.5~15.3℃
   波高 0.5~1.0m
   ピッチ 62~65回/分
   補給 炭水化物+果糖+茶類=300ml/40分毎
   流向 主に西
   流速 0.0~0.3kn
潮汐:内浦三津(北緯 35度01.0分 東経 138度54.0分)
   日出 05:23       日入 18:10
   月出 15:51       月入 03:41
   月齢 11.5        潮名 中潮
   満潮 04:09 1.49m    干潮 10:17 0.48m
   満潮 16:14 1.45m    干潮 22:22 0.35m

   2. 窃盗事件

Ssmalp4070022 その事件は6日の早朝に発生した。7日から海練習の予定を入れていて、モチベーションを上げるために気持ちを集中させている矢先だった。
 愛知県岡崎市の桜の名所と言えば「岡崎公園」である。そこの名物と言えば「ジャンボ花見団子」。普通の花見団子は団子の大きさがピンポン球より小さいくらいだが、ジャンボ花見団子は野球のボールくらい大きい。我フジタヤ(キンちゃんの仕事:和菓子製造業)では花見シーズンにこのジャンボ花見団子が売れ筋だ。ようやくそのジャンボ花見団子も一段落し、7日の海練習は楽しみにしていたのだが・・・。
 事件の詳細は、6日早朝4時30分頃、愛知県刈谷市に住む弟がクルマで同県岡崎市にある我社「フジタヤ」への出勤途中、刈谷市松栄町の交差点で信号待ちをしていると、後ろから30歳くらいの女性に「エンジンがかからない。」と声を掛けられ、見に行けばシフトが“3”に入っていたからで、ニュートラルにすれば直ちにエンジンはかかったのである。(オートマチック車はトランスミッションのシフトレバーが“P(パーキング)”か“N(ニュートラル)” にしないとエンジンはかからない構造になっている。)
 弟はクルマに戻り、少し走ってから車内の異変に気がついた。助手席に置いてあったカバンが無いのである。カバンの中身は昨日までのジャンボ花見団子などの売り上げ金48万円。
 まったくもって人の好意を逆手にとった、計画的かつ悪質な犯行である。すぐさま弟は警察に行き被害届を出してきたが、それはみんなが汗水垂らして働いてくれた売上金であり、「まさか!」と「信じられない!」が、私の頭でパニクっている。
 今年の春休みに石井コーチはトラジオンの春スキー合宿で妙高高原に行った。そのときスキー場の駐車場で1台の乗用車が雪解け水を流す側溝にタイヤがはまって動けなくなってしまったそうである。人の困っている姿をほかっておけない石井コーチは、自分のクルマからロープを出すとその乗用車と自分のクルマを結びつけ、引っ張り出したそうだ。このときも石井コーチは「他のスキー客は視て見ぬ振りしている。自分が困ったときに助けて欲しいから自分のためにオレはやるが、他の人たちは困ることが無いのだろう。」と言っていた。
 おそらく困ることが無い人なんかこの世にいないだろう。困った人を助ける。これはある意味“常識的なこと”だが、この常識的なことを普通に出来る人を私は「カッコいい!」と思う。しかしその人道的行為を逆手に取った犯行は絶対に許せない。「世の中そんな人がいるんだな、」と思うと同時に、「観て見ぬ振りをする人がこうやって増えていくんだ。」と実感した。
 まあ犯人は心が無いからこのような犯行をするのだろうが、もし少しでも心があるのなら警察に捕まる前に自首して欲しい。そして盗んだお金は返しなさい。お金は盗むものではなく、稼ぐものなのだから!
 今回はたまたま弟がやられてしまったが、私も同じ立場であれば盗られていただろう。攻めるにも攻められず、警察からフジタヤに手ぶら姿のがっかりして戻ってきた弟に怒る気もなく、可愛いそうになり、私はいろいろ頼んである弟に申し訳ない気持ちと盗った犯人を憎み、そんなお金を盗って使ってもきっといいことはないと信じている。また一緒に働いて稼ごうと思った。

   3. 3月までの目標

Ssmalp4070024 話は変わるが私の通っている“ロイヤルスポーツクラブ2”では、去年の12月辺りに会員の人たちの“今年3月までの目標”を書いて、2階の掲示板に張り出された。迷わず私は「16度以下の水温で40km泳ぐこと。」と書いた。
 たまに私がクロールを教えている65歳の女性Sさんは、去年の目標が「50m泳ぐこと。」だったが、実際は25mで立って、少し休憩してからまた25m泳いでいた。それでも取り敢えずは『去年の目標は達成している。』と私は思っていたが、Sさんは納得しておらず、綺麗にターンして50m泳ぐのを3月の目標にしていたらしい。
 Sさんと私とは時間帯がなかなか合わず、見て上げられる時間が少なかったが、久しぶりに4月1日に会い、泳げたか聞いたら「やってない!」と言う。「では久しぶりに会ったことだし、今からチャレンジしましよう。」と声をかけると、すんなりと泳ぎ出し、綺麗にターンをして戻って来た。
 Sさんは大喜びで「12月までの目標は75m泳ぐことだ!」と、次なる目標をもう掲げていた。教えていた私の言葉は「慌てず焦らずゆっくり泳ぎなさい。」だった。Sさんに私はこれをくどくどと言っていた。しかしそれはまったくもって私自身への戒めだった。その“目標”を書いた12月頃からの私は淡島~大瀬崎間の2-way、つまり40kmは泳げずにいたからだ。
 Sさんからの刺激もあり、掲示板に掲げた自分の目標の公約もあり、とにかく今回の海練習は「失敗は出来ない!」と心してかかっていたのに、直前の弟の窃盗事件には心が乱されてしまった。それでも気を取り直し、今回の練習に臨んだ。

   4. 出発

Ssmalp4070026_2 7時30分港集合。気温12℃。久しぶりに天気に恵まれ絶好調に淡島を出ることになった。水温はいくつかその時は知らなかったが14.5℃度だったらしい。
 船頭の菊地さんは「お天道様も出ているし気温も高くなる。俺も頑張るから美幸ちゃんも頑張りなさい。今日は2-way泳げるよ!」といつもながら応援してくれる。石井コーチもニコニコと笑ってくれている。
「よろしくお願いします!」と梯子を下りて行くが、相変わらず「死ぬ~、冷た~い!」とほざきながら泳ぎ出す。気温が高いせいか凄く冷たく感じたが、後から水温聞いて「1℃高いじゃん!」とショボくれてしまった。
 泳ぎ始めは身体が慣れるまでか堅い泳ぎたが、『始めからゆっくり泳ごう。』と決めていた。だから堅い泳ぎで身体が動かなくても、『徐々に動けばいい。』と焦っていない。
 海はプール状態のような凪であった。赤潮の中を泳ぐがヘッチャラである。クラゲがいなければ問題なし。まあ小さなチョウチンクラゲは現れ出したけどね!
Ssmalp4070036 手はかじかんで足の裏が凄く冷たいが、お天道様が私を照らしてくれるおかげで気分もまぎれた。大瀬に近付き向かい波に。『まあここら辺はいつも変わりやすいところだ。ゆっくり泳ごう。』と心の中で誓う。
 その間、何隻かの釣船を眼にした。そろそろ水温も上がってきたので魚も釣れ始めたのだろうと思っていた。しかし船上での菊池さんとコーチの会話はこんな風だった。
石井「だいぶ釣船が出てきましたね。何を釣っているんですかね?」
菊池「あ~、さくら鯛だよ。」
石井「へ~、鯛にもいろいろありますね。真鯛、黒鯛、キンメ鯛、アコウ鯛・・・」
菊池「いやぁ~、桜の咲く時期に釣れるから“さくら鯛”。学名で“さくら鯛”はちゃんとあるが、今頃に釣れる鯛は総称して“さくら鯛”と言うんだよ。産卵のために上がって来て、そりゃ今頃の時期は脂がのって旨いんだ。でもなぁ~、水温がまだ15℃前後でしょう。16℃以上上がらなきゃ~。この水温じゃまだ魚は動かない。たぶん釣れないでしょう・・・。海の方はと言うと・・・、陸では“今年は暖冬だ。”と言われているが、海は逆だね。まだ冬だよ。」
石井「赤潮もクラゲも出てきているのに、どうして水温が上がらないんですかね?」
菊池「やはり異常気象でしょう。黒潮も主流が沖に離れているんじゃないかな。今頃赤潮が出るのもおかしい。」
・・・とこんな具合だ。
 魚も動かないような低水温で私は泳いでいる。

   5. 久しぶりに

Ssmalp4070045_2 大瀬に着いた。3時間14分。まあまあの出来だと思う。ダイビングのメッカ大瀬崎のビーチでは海に向かって大きな時計がある。その時計はおそらくダイバーが見るために設置されたものだろうが、いつも時間の参考に眺めさせてもらっている。普段ならダイバーがたくさんいるのだが、この日は数人かな? あまり私の眼には映らなかった。ビーチ横の岸壁では釣人が3人くらいいた。その釣人の向こうには桜が満開に咲き誇っており、季節は“春”を感じさせていた。
 この前の練習では岸沿いを温泉気分で浸かっていたが、今回はいつもの練習のようにさっさと手を挙げリターンした。
 帰りは向かい潮だが追い風で波が押してくれるので心地良く泳いでいた。
Ssmalp4070048 帰りは船の陸側を泳ぐ。陸を見れば山々の木々に新芽の青葉若葉が膨らんで、道路沿いの桜や山桜が彩り豊かで美しい。春の息吹を感じさせていた。そんな色彩豊かな山々を観ながら『この山々はミカン畑が多く、その時期になると陸の方からミカンの香りが風に乗って届いて来るんだよなぁ~。』なんてノンビリ考えていた。『海からのお花見も素敵だし、色にも香りにも素敵なところだ。』と風景に感心している。
 『帰りに釣船は見なかったなぁ~。』と思っていたら、遊漁船組合の通達で、午前は11時まで、午後は2時からと遊漁する時間が決められてあるらしい。
090407_112439 そんな景色を愛でる余裕がある一方、もう一つの気持ちはいっぱいいっぱいになっている自分がいた。それはふと思い出した過去の思い出からだった。
 今回は追い波だったけれど、中澤先生たちと泳いだ時は向かい波、向かい潮で、私は「思い切り泳いでください!」と指示をした。それは波と潮の力で後ろに押され、思い切り泳がないと進む距離が短くなるために言ったのだが、果たして合っていたのだろうか? 今の私はあの時の中澤先生たちと同じ気持ちで2-wayを完泳しようと精一杯。「ゆっくり泳げば着くよ。」と心の中で何度か唱えながら泳いでいる。
 中澤先生たちの考えも私の考えも今回は一致し、何が合っているか、何が違っているのかは『その時その時で違うんだなぁ~、』と感じていた。それは泳がなくては分からない。だから遠泳なんだ。まあ場所によるかも知れないが、問題は『何時間経ってもたどり着くこと!』が遠泳だと確信した。
 今回、またもや初心に戻り、泳いだ。水温を私は聞いていないが、前半戦は手と足が冷たくなって、それも後半戦ではあまり感じず、『ここはドーバーか?』と錯覚するぐらい気持ち良く泳いでいた。
 『ゆっくり泳げば着くよ。』を心の中で何度も繰り返していた。
Ssmalp4070052_2 コーチが「後1000m!」と叫び、それからの時間が長いこと長いこと。次の「後900m!」が何回手を回したら出てくるか数えたよ。まあいつも長くは感じているのだが・・・!
 ようやく淡島のビーチに泳ぎ着いた。帰りの時間は3時間32分。2-wayの合計は6時間46分。久しぶりに7時間を切ってゴールした。船からは菊地さんとコーチが拍手してくれ、私は万歳をした。4月にはなってしまったが、3月の目標だった「16度以下の水温で40km泳ぐこと。」の公約を果たせたからだ。
Ssmalp4070054 梯子につかまりコーチからビデオを回しながら「感想は?」と聞かれ、一言「やったぁ~!」と右手をゲンコツに握り、その拳を高々と挙げた。菊地さんは「よく頑張った!」と言い、コーチは「やっぱり完泳しなくちゃね!」と、2人ともとても喜んでくれた。もちろんキンも嬉しかった!!

   6. 反省会&異物混入事件

Ssmalp4070056 その日の夕方から菊池さん宅でいつもの反省会。お母さん手作りのお料理が勢揃い。キンメ鯛の煮付け、フライ、刺身と豪華なお料理がテーブルを埋め尽くされる。海練習の後、お母さんが作ってくれた料理を私は食べるだけである。いつも至れり尽くせりで感謝している。ホントに海練習の後は疲れているので助かる。ドーバーではお腹空いても誰も作ってくれないからなぁ~!
 と、その時、主人から電話が入った。「異物混入事件が発生した!!」と。
 まあその異物とは部分入れ歯なのだが・・・。我々食品を扱う人間にとって、“食の安全”は本当に気を使う。少し前にマスコミを賑わせた“中国製餃子事件”など記憶に新しいことだろう。菓子パンに針を入れるなども、そこの商品は怖くて誰も買わなくなる。フジタヤの商品に針を入れられたら・・・、致命的である。考えただけでもゾッとする。
 ちなみにフジタヤの商品には防腐剤も添加物も入っていない生菓子である。製造年月日も賞味期限も記載してあるが、それは生菓子として常識的な保存法であれば少しくらい賞味期限を超しても問題はない。しかし非常識な保存、例えば真夏の炎天下の元で駐車したクルマの中に1日放置した生菓子を「痛んでいた!」と文句を言われても・・・、商売人としては謝るしかない。しかし必ず“保存法”を説明させていただく。しかし相手が入れ歯では説明のしようも無い。
 詳しく言えば、フジタヤが卸している豊明市の店“ピアゴ”で「上用饅頭を買って食べたら部分入れ歯が入っていた!」とお客様からピアゴに電話。フジタヤの常連さんらしく、たいした問題は無かったが原因が私たちは知りたかった。こういう事故にはいつもピリピリと神経を使っているからだ。
 いつ、何処で入ったのか、従業員やパートさん全員に聞いたが心辺りはない。材料屋さんにも直接聴きに行くが、心辺りする人は誰もいない。取りあえず翌朝(休日だったが)にフジタヤの人間全員集め、もう一度、事件の内容を話し再確認し、上用饅頭に入っていた部分入れ歯を持ち、豊明のピアゴに向かった。その途中ピアゴから電話が入り、「お客様が来られ、歯を磨いていたら自分の入れ歯だということに気付いたらしい。」とのこと。
 本当にこの時も原因がわかり、ホッとし、親切なお客様に感謝した。お客様から何も連絡が無かったら、ずっと悩んでいたに違いない。解決して良かった。
 そんなこんなで火曜日は電話に忙しい反省会だった。まったく泳ぐ前後に大事件が発生して大忙しだったが、これから暖かくなり、水温気温とも上がり、泳ぎやすい気候となるはずだ。今日泳いだことを忘れずに、次、また頑張ろう。
 私が留守している間、会社を守って下さる全ての人々へ、ありがとうございます。そして私の遠泳に携わっている皆さん、ありがとうございました。また来週、海で泳ぎます。

スティーブン ミュナトネス

ひょんなことからスティーブン ミュナトネスと連絡が取れました。
彼は現在、全米のオープンウォータースイムのチームコーチをしています。北京やロンドンに行ったりしているようで、8月には日本に来るようなので、チャンスがあったら会う約束をしました。

同時に今年8月、ドーバー海峡で行われる「The Great English Channel Race」の見物にも来るようです。ドーバーでも会えるかもしれませんね。楽しみです。
ちなみにスティーブン ミュナトネスは日本の津軽海峡2-wayとか与那国島の1周泳をやったりしています。
詳しくは
Steven Munatones
Huntington Beach, California, U.S.A.

http://www.10Kswim.com

http://www.10Kswimmer.com

http://www.SwiMetrics.com

http://www.virtual-swim.com

「japanese_profile_for_steven_munatones_2008.ppt」をダウンロード

をどうぞ!

「キンちゃんが行く」Vol.25

     1. 淡島~大瀬崎2-way

日付:2009年3月26日(木)
場所:静岡県沼津市淡島~大瀬埼間(約10km)
泳者:キン
方法:2-way solo swim = 20km
結果:1st leg: 淡島 07:32 ⇒ 大瀬崎 10:45 3時間13分
   2nd leg: 大瀬崎 10:45 ⇒ リタイヤ(悪寒) 12:32  1時間47分
   合計=5時間00分
概況:天気 晴れたり曇ったり、時々雨
   視界 午前中:10海里 午後:20海里
   風向 主に南
   風速 2.6~8.5m/sec
   気温 3.6~12.6℃
   水温 13.5~14.0℃
   波高 0.5m
   ピッチ 66回/分
   補給 炭水化物+果糖+茶類=300ml/40分毎
   流向 主に西
   流速 0.0~0.3kn
潮汐:内浦三津(北緯 35度01.0分 東経 138度54.0分)
   日出 05:40       日入 18:00
   月出 05:04       月入 17:40
   月齢 29.1        潮名 大潮
   満潮 05:20 1.54m    干潮 11:24 0.32m
   満潮 17:30 1.56m    干潮 23:37 0.33m

     2. 春なのに・・・

Ssmalp3260002 3月26日、久しぶりに淡島から大瀬崎の海練習でした。気温は3.6~12.6℃。水温は13.5~14.0℃。相変わらず寒い一日で時折小雨がぱらつきました。
 港を朝7時に集合し、淡島から出発。何だか海が汚い! 帯状の泡が海面を一直線に流れており、潮境と直ぐに分かりました。ホテルからは誰一人見学者はおらず、寂しいスタートになりました。
 船では泳ぐ用意している間に段々と風が吹き、寒かったです。誰も水温計を見ようとしないので、私が見ると13.5℃。
キン「間違いなく13.5℃だよな~。コーチ、13.5℃だよ。死んじゃうよ!」
石井「死にゃあいいじゃん!」
と相変わらず愛情のこもった優しいお言葉。
菊地「15℃だと思えばいいよ。暖かいよ。今日も頑張りなさい。」
と励ましてくれました。「死んじゃう、死んじゃう!」と弱気になっていた自分から、「暖かいと思えばいい」と前向きな気持ちに私を変えていきました。
Ssmalp3260003 船の梯子から少しずつ足を入れていきますが、生身の身体にはきついものがあり、「行ってきます!!」と大声で叫びながら飛び込みました。始めは身体がビックリして早く手を回して淡島のビーチまで行き、手を挙げ、フォーンの合図と共にスタートしました。

     3. またもや・・・

Ssmalp3260004_2 何だか調子が悪い。いつもの私の泳ぎじゃないみたい。身体がカチカチで動かない。ノロリ、ノロリと泳いでいる感じがしました。
 行きは追い風と追い潮。身体は硬直しているものの、自然を味方につけた感じでした。二艘の船が私を見にきたのが分かりました。結構近くまできていました。途中、雨が降り出したせいか、船の様子はカッパを着だしていました。
 「肌で雨が感じるか?」と私も気をつけて泳ぎましたが、全く分からず見えず、「小雨なのかな?」と息を吹けば、白いものが見えるではありませんか!?
 「もしかして富士山? 雨が降っているのに??」、もう一度、もう一度、半信半疑で何回も白い山を見ると、「やっぱり富士山だ~、私を応援しているんだ~!」と嬉しく思いました。遠くの空は晴れています。この雨も晴れるだろう。
Ssmalp3260006 後から聞くと、このとき私たちの上空は雨、富士山の上空は晴れて虹も出ていたそうです。
 雨が降り出し、気温がこの日最低の3℃まで下がり、コーチはカッパの中に手を入れて、菊地さんは手袋をはめだしました。手がかじかんだらしい。3月にしては珍しい出来事でした。
 何回も寒さを感じ、「この水温は今しか経験出来ない練習だから、大切にして泳ごう!」と、この日「この一日をクリアしよう!」と考えました。するとそのうち雨も止み、お天道様が背中を温めてくれました。
 でも寒くて栄養補給の時、船の梯子に捕まりながら飲みました。コーチも飲むのを手伝ってくれましたけど、
石井「こぼすな!」
と怒鳴ります。
キン「もう息吸わないとこぼれるわ!」
と喧嘩が始まります。
キン「寒い!」
と泣きそうな目で訴えます。
石井「そんなことわかっとる! 早く泳げ!」
キン「もう少し、オシッコが出ちゃう!」
石井「そんなの海で泳ぎながらやれ!」
キン「やだよ~、梯子につかまってやると、お日様が暖かいもん!」
と背中を暖めながら補給をし、オシッコもしましたが、いざ海へ泳ぎだしたら海水が冷たく感じることと言ったら口では言い表せない程です。
 ところがさっきまでカチカチで思うように動かなかった身体が嘘のように動くのです。手が動く動く、回る回る。ピッチが速過ぎて疲れちゃうぐらい・・・。プール練習の泳ぎに変わってしまったのです。
 初めてプールで24時間21℃の水温で泳いだことを思い出しました。あの時も10時間泳いで寒くて震え、足の痛みが出てきてキックが打てませんでした。5分休憩の時、暖かいお風呂が用意され、入ろうとしたら「今何時間泳いだか知っているか? 浸かるのは足だけにしなさい。身体全部が浸かるとプールに入るのが難儀になるからね。」と言われたコーチの言葉を思い出しました。「しまった、梯子につかまるんじゃなかった!」と後悔しました。
Ssmalp3260010_2 大瀬崎に近付き、浅瀬になったので一回立ちましたが、浜まで少し距離があり、歩くのが嫌だったのでまた泳ぎだしたら、いつもなら岸辺は水温が冷たく感じるのに今日は温泉みたいに温かく、「ずっと入っておるか!」と立たずに気持ち良く寝そべって遊んでいました。すると船から「そこからでいいから早く戻って来い!」と呼ばれてしまい、「しょうがない~、また泳ぐか」と気を入れ直し、大瀬崎を出ました。
 ここでの練習で私の弱点は折り返し地点に弱音を吐く所です。それを知っている菊地さんは私がお喋りしないように船を横付けにせず、前へ前へと船を先行させ、私は一生懸命追いかけながら泳ぎ続け、まあいいだろうという所で横付けにしてくれました。
 向かい波に向かい潮。力強く泳ぎ続け、弱い自分と闘いながらも徐々に強い自分が去り「もう泳げん!」と言うと、「後少し泳ぎなさい。」とコーチは言います。寒くて途中で上がりたかったのですが、生憎梯子が反対側にあり、つかまることも出来ず、渋々泳ぎ、「まだぁ~?」と聞くと「後3分泳げ!」とコーチは言います。コーチは5時間を泳がせたかったらしいのですが、この3分が長いこと長いこと。待ち通しい3分でした。
 風が強く、泳いでいる反対側の梯子に行こうとしますが船が風で流されてしまい、なかなか梯子まで行き着きません。
キン「あ~、意地悪しとる!」
石井「アホウ! 風で流されとるんじゃ!」
「しまった。余計なこと言ってしまった。」と反省しましたが、もう泳ぎたくない私は上がりたいことしか頭にないのです。
 船に上がり、
菊地「大丈夫か?」
と心配してくれています。
石井「コートを着るか?」
と言われたが、日の光を浴びたかったので
キン「いらない!」
と答えました。
 泳いだ後はコーチがいつも白湯をくれます。何故だか何倍かお代わりをしてしまいました。白湯をこんなにも飲むのは私にとって珍しいことです。

     4. 遠縁の仲間

 余裕がない私は港に着くやいなやさっさと民宿「桂」に行き、お風呂に入ろうとしました。お風呂で私は栄養補給品の容器、プラティパスをいつも身体と一緒に洗います。が、この時、栄養補給品を温めるためについているホカロンを剥がしている最中、ホカロンが破け、脱衣所に黒い粉がバラけてしまいました。大いに焦って外で庭いじりしているお母さんを呼び、掃除機で吸ってもらいました。やっとシャワーが浴びることが出来、やれやれです。身体、プラティパス以外にも遠泳で使った道具を綺麗に洗うことも出来ました。
 お風呂を出た後でも寒くてお布団の中で潜っていましたが、一向に身体が暖まらず、コーチに「今度お会いする校長先生の小学校が何処にあるか見に行こまい!」と誘い、ドライブに行きました。お布団の中よりクルマに乗っていた方が暖かくなるかもしれないと私は考えたからです。
 17時30分に菊地さんとこで反省会なので、まだ時間かあるとビールを買い、クルマを走らせました。そこで私の目に写ったのが船とカヤック。コーチに「喋りかけりん!」と話しかけさせ、キンも話し出しました。
 するとカヤックを積んでいた男性の後ろ姿のトレーナーに目をやると、“御岳山”のマラソンの文字が・・・。それは私の大好きなKFC主催の大会で、そのトレーナーを着ていました。とてつもなく身近に感じ、またベラベラお喋りし出します。着ている服一枚で素敵な出会いをしてしまいました。
 今回の遠泳は風が安定せず、操船にはかなり難儀したと思います。最近はしょぼくれて途中で断念してしまう私。頑張っているつもりなのになかなか達成出来ない私に菊地さんは、「キンちゃんも頑張っているから、俺も頑張らないかん!」とずっと立ちっぱなしで操船してくれたらしいのです。
 こんなにも考えて操船してくれる菊地さんに「今度こそは完泳するぞ!」と私は心に誓いました。
Ssmalp3260019 ヘナチョコキンにいつも応援してくれる菊地さん、菊地さんの奥さん、コーチ、仕事場の人達、家族、友達、ありがとうございます。そしてキンちゃんは頑張り続けます。

「キンちゃんが行く」Vol.24

   1. 初島~熱海(網代)2-way

日付:2009年3月10日(火)
場所:静岡県熱海市初島~同市網代間(約6km)
泳者:キン
方法:2-way solo swim = 12km
結果:1st leg: 初島 08:58 ⇒ 網代 11:55  2時間57分
   2nd leg: 網代 11:55 ⇒ 初島 13:55 2時間00分
   合計=4時間57分
概況:天気 曇りのち晴れ
   視界 20海里以上
   風向 南または西
   風速 1.1~5.4m/sec
   気温 12.0~16.2℃
   水温 13.0~14.0℃
   波高 0.5~1.5m
   ピッチ 65~67回/分
   補給 炭水化物+果糖+茶類=300ml/40分毎
   流向 主に東
   流速 0.3~0.5kn
潮汐:伊東(北緯 34度58.0分 東経 139度07.0分)
   日出 06:01      日入 17:46
   月出 16:58      月入 05:10
   月齢 13.1       潮名 大潮
   満潮 04:50 1.40m   干潮 10:30 0.58m
   満潮 16:19 1.48m   干潮 22:45 0.17m

   2. 久しぶりのめがね丸

キン「もしもし、田中さんですか? ご無沙汰しています。キンです。
久しぶりに泳ぎに行きたいんですが・・・。」
田中「あー、キンちゃんか。元気かい? あー、船か。最近、魚が捕れなくてなぁ~。船は陸(おか)に上げちまってあるよ。」
後ろ『えーっ、キンちゃん!! わー、会いたい、会いたい!!』
と電話の向こうの後ろから、娘さんが大きな声で騒いでいるのが聞こえた。その娘さんの後押しも手伝ってくれたのだろう、田中さんは船を出すための重い腰を上げる決断をしてくれた。こうして3月10日、久しぶりの初島~熱海の海練習が決まったのだ。
 最近はほとんどが沼津の淡島~大瀬崎間を海練習のホームゲレンデにしているが、ここに来る前はず~っと初島~熱海間が私のホームゲレンデだった。ただ、初島は相模湾の熱海沖にある孤島。風が強いと海が荒れて泳げなくなる。いつだか台風で熱海からの連絡線が出ず、初島に渡ることすら出来なかった。せっかく暇もお金も使って行くのだ。出来れば練習がしたい。その点、沼津は台風が接近してくると近くを航行する大型船舶が避難してくる場所。海が荒れて泳げないことは十中八九無い。そこでここ数年は海練習場所が沼津に移った。しかし今回は沼津の船頭の菊池さんの都合がつかないため、久しぶりの初島を訪れることになったのだ。
 9日、石井コーチも私も仕事で、初島に渡る連絡船「イルド・バカンス号」の最終便に間に合わない。そこで熱海でホテルを取り、10日朝一のイルド・バカンスで初島に渡り、田中さんの経営する食堂「めがね丸」で準備をすることにした。9日の夜、JR熱海駅で石井コーチと待ち合わせ。駅前のコンビニでビールと食糧を買い込みホテルへ。お腹もいっぱいになってビールでほろ酔い気分なのに夜は眠れなかった。翌日の天気が心配だったからだ。
 10日早朝、田中さんに電話を入れる。
田中「あー、天気は大丈夫だよ。船も下ろしてあるから安心しておいで!」
キン「わかりました。ありがとうございます。朝一の船で行きますので!!」
090310_073626 イルド・バカンスに乗るとさっそく石井コーチに今回のコースのガイダンスを受ける。陸地の状態、景色で何処に何があるか確認しながらの船旅だ。こういう船旅が私は大好きだ。
 初島に着くと驚いたことに田中さんがクルマで迎えに来てくれた。
田中「遠泳の機材がいつもたくさんあっただろう。ほらクルマで運んでやるよ。」
ありがたい言葉だった。

   3. 新しい気持ちへ

Ssmalp3100031 食堂「めがね丸」に着くやいなや栄養補給品作りに取り掛かる。作りながら久しぶりに会う娘さんや奥さんの元気な顔を見て嬉しかった。積もり積もる話もあるが、それは泳ぎが終わってからにしよう。
 伴走船「めがね丸」は第二漁港にある。着替えも終わって準備完了。再び田中さんのクルマで第二漁港へ。クルマの中で簡単な最終打ち合わせ。もう、この頃になると私の心は泳ぎへと集中していく。
Ssmalp3100032 午前9時近くにスタート。不思議なことに泳ぐ前はこれから始まるシナリオの無い遠泳に心弾ませていたのに、泳ぎ始めるとここ最近の自分の遠泳の反省点へと考えることが変わる。ここのところ水温も下がっているせいか、淡島~大瀬崎(10km)の2-wayや3-wayがリタイヤするようになり、もう一度初心に戻りたい気持ちもあって初島に来た。泳げて良かった。
 石井コーチは私を「嵐を呼ぶ女」と言う。確かに私が泳ぐ日は“雨、雨、雨”、“曇り”が多い。今日は快晴、水温は13~14℃と低いがお日様を味方につけ、気持ち良く泳いだ。初心に戻るには好都合の日和だった。
Ssmalp3100040 ゴミの行列を横断する。潮境だ。潮境とは違った性質の潮同士がぶつかっているところで、その接線に沿って大量のゴミが大行列を作っているケースが多い。
 泳いでいる最中、たとえそれがゴミじゃなくとも、何かが身体に触れたりするのがすごく嫌いな私は、前を見ながら避けながら泳いだ。そしてその潮境を越すと水温もグンと下がり、海の色も濃くなった。ドーバーや津軽海峡を思い出した。
 津軽で渦潮の中を泳いだ。この渦潮を物理の世界では「カルマン渦」と呼ぶらしいが、急に“ヒヤリ”と水温が下がり、「何? 冷たい!」と思った瞬間、目の前の海は渦が巻いていた。そんなことを思い出しながらも、「ここでの違った潮は、私の味方をしない。」とすぐに気付いた。それは、初島に来るイルド・バカンス号の中で石井コーチにしてもらったガイダンスから、周囲の景色を見ながら「進みが悪くなった。」とすぐに判断が出来た。網代までが遠く感ずる。
 論語の「温故知新」ではないが、以前経験したことの再認識が、新しい自分への考えへと変わっていく。

   4. 海の神様は

Ssmalp3100041 ようやく折り返し地点の網代灯台が目の前に迫ってきた。久しぶりの波高1m前後の波を楽しんでいたが、折り返し地点のビーチは岩と石だ。きっとウニもいるだろう。船からの指示と自分の判断が一致し、ビーチには上がらずの折り返しになった。
Ssmalp3100042 帰り始めは後ろから波が押し寄せ、久しぶりの追い波に乗って泳いだ。しかし途中から風向きが変わり向かい波に。「私の大好きな大きな波!」、嬉しくて嬉しくて無我夢中になり、栄養補給時に波を見るたび「これだ、これだ!」と、力強く泳ぐことが出来た。
Ssmalp3100044 船を見れば石井コーチは両手で何かにつかまっていなければすぐにでも落ちそうな状態。揺ら揺ら左右に大きく揺れ、シーソーのように傾いていた。田中さんを見れば笑顔で「もう少しだ!」と叫んで、「もう少しで着くんだ!」と私は辺りの景色を見回す。テトラが並んでいる。「どっちが出入口だったっけ?」と陸に並んでいる建物を見て「ここ、ここ!」と確認し、無事、初島へたどり着く。
Ssmalp3100057 いつもなら人が立てるほどの浅瀬までは船は来ない。そのつもりで後ろを振り返ると船がいない。ふと左を見ればデカイ船が! 「え~、真横に!?!」
 そこは船上げ場のスロープだったせいもあるが、伴走船「めがね丸」はゴリゴリと船上げ場に船首を上げながら最後まで伴走してくれたのである。デッキには石井コーチが立ち、キャビンでは田中さんが「よくやった~!」と叫んでいる。見物人には「網代まで往復してきた!」と、自慢げに私を褒めてくれた。
 石井コーチは6時間泳がせたかったみたいだが、海の神様は私に「2-way泳げばいいよ。」と背中にお日様を当ててくれていたようだった。
 “達成感”ってホントに良い気分だし、次のステップにもなるし、初島に来て良かったと心の底から思った。

   5. されど初島

Ssmalp3100058 検査着(医療検査用のディスポーザブル衣:紙製なので水も脂も吸い取ってくれる。遠泳終了時に使用)を着て田中さんのクルマでホテルへ。そのままの姿でチェックイン。お風呂に直行してチャネル・グリースを落とし、冷え切った身体を温かい湯船に沈める。しかしのんびりしている暇は無い。何故ならば初島の食堂は午後4時で閉店なのだ。それまでに食堂「めがね丸」に行かなければ!!
Ssmalp3100060 食堂「めがね丸」では田中ファミリーの皆さんが来てくれて、美味しい料理と美味しいビール、そして楽しいおしゃべりが最高のご馳走だ。
 お孫さんが何でも県内屈指の名門校「韮高」に入学したとか!!??!!
 以前、せっかく初島まで来たのに海が荒れて泳げないでいて、散歩で食堂「めがね丸」の裏にある小中学校を見物した。その頃はそのお孫さんも小学生で、体育の授業か、校庭を走っている姿を思い出していた。
 5年ぶりの再会でも田中さんご夫妻、娘さんご夫妻は変わっていなかった。しかし時間の経過はお孫さんの成長が見事に変わっていた。
「今年もドーバーへ行ってきます。そしてもっともっと練習して、2-wayが泳げるようになります。また初島に来ます。」と約束して、夕、再び田中さんのクルマでホテルまで送ってもらった。
 翌11日、ゆっくりホテルで朝食をいただき、朝2本目のイルド・バカンスで熱海に向かった。すると田中さんの奥様と一緒になった。何でも歯医者さんに行かれるとか・・・。
「島ではな、元気な者しかいないんだ。病気になるのは医者が来たときだけだよ。」と田中さんが言っていた言葉を思い出した。熱海まではそう遠くない。しかしお孫さんも静岡で寮生活。奥様も歯医者のために熱海まで出てこられる。
「島には島の厳しさがある。」と感じた。
 その奥様から別れ際に熱海名産の塩辛をもらった。何だか申し訳ない気がした。

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