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チャネルグリース(CHANNEL GREASE)の作り方

1. スイミンググリース

 スイミンググリースは、オープンウォータースイマーが海を泳ぐとき、身体に塗るグリース(脂)のことを言う。その中でドーバー海峡を泳いで横断する人が好んで塗っているグリースを「チャネルグリース」と呼んでいる。
P81202582 一般的には“ワセリン(Vaseline)”が多く使われている。ワセリンは「白色ワセリン」とも呼ばれており、石油から精製して作られたもので、主に薬品や化粧品の基材として使われている。
 他には“ラノリン(Lanolin)”があり、ワセリン同様、薬品や化粧品の基材として使われているが、原料は羊毛から取れる脂(ウールグリース)を精製したもので、日本では「精製ラノリン」として売られている。
 尚、日本では「薬事法」によりワセリンでもラノリンでも「精製されたものしか売買は出来ないこと」になっている。ただ“化粧用”のものはかなり高価なので、購入するには薬剤店に行って「日本薬局方の精製ラノリン」と言った方が賢明であろう。
 また、こういったスイミンググリースは目的が“擦れ予防”であって、“保温”のためではない。
 チャネルグリースはこういったスイミンググリースの一種で、主にワセリンとラノリンを混合して作る。

2. ワセリン VS ラノリン

 スイミンググリースは泳いでいる間に取れていく。しかしどちらかというとワセリンの方が早くなくなり、ラノリンの方がしつこく残っている。また触った感じもワセリンは“サラッ”とした感じでラノリンは“ベタッ”とした感じだ。泳ぎ終わってスイミンググリースを落とすときも、ワセリンの方がラノリンよりはるかに簡単に落とすことが出来る。
 しかし私個人的にはラノリンの方が好きなので、他のスイマーはどうか、過去にアンケートを取ったことがあった。そのアンケートの方法は10名のオープンウォータースイマーに協力してもらって、右脇の下にはワセリン、左脇の下にはラノリンを塗ってもらう。そこで三浦半島の先端にある城ヶ島を1周(約6km)泳いでもらって右脇の下と左脇の下、どちらの使用感が良いか聞いてみた。結果は次の通りである。
   ワセリンの方が良い   2名
   ラノリンの方が良い   6名
   どちらとも言えない   2名
 やはりこの結果からも、使用感としてはややラノリンに軍配が上がるようである。まあそれでも落とすことを考えると、2~3時間で終わるような海の泳ぎならワセリン。3時間以上泳ぎ続けなければならないようならラノリンがお勧めかなと思う。

3. チャネルグリースの作り方

 今現在、ドーバーで売っているチャネルグリースは£18(約4,000円)だそうだ。おそらく16オンス(454g)くらいだろうから考えると高い。ちなみに日本ではワセリン(500g)が1,000円くらい。ラノリン(500g)が2,000円くらいだから、「作ってしまおう」と考えた。いちおう試作もしてみたのでレポートしよう。
 とりあえず作り方から・・・。
 ラノリン(80~90%)+ワセリン(10~20%)=チャネルグリース
と簡単だ。まあワセリンとラノリンの「良いとこ取り」みたいなものだ。
 で、試作してみた。
 ラノリン対ワセリンの混合比は8対2。ラノリンもワセリンも40℃以上に熱すると液状になる。だから入浴時などに湯煎による混合が良いと思う。間違っても電子レンジや、直火で溶かすようなことはしない方が良いだろう。沸騰するとかなり厄介なようだ。
 尚、ワセリンとラノリンの混合比で、ワセリンを多くするとよりフレキシブルになるらしい。また最近のドーバーでは、これに日焼け止めクリームを混合するのもあるらしい。まあいずれにしろ何回か作り直してオリジナルの自分に合った調合が出来上がるまで試作の繰り返しが必要なようだ。が、今回の試作品に日焼け止めクリームは添加していない。

4. 試作品の使い心地

 以前、私もドーバーのものを使ったことがある。これは色が白くてかなり臭かった。おそらくこの臭いはラノリンのものだろうと思われた。実際、私自身が羊の毛刈りを経験したことがないので何とも言えないが、毛刈りをする人に聞くとやはり臭うらしい。
 ドーバー泳を公認する団体“CS&PF”のセクレタリー“マイケル・オラム”も、その「CHANNEL GREASE quantities and mixing.(チャネルグリース量と混合)」の中で、「作るときにはその臭いで吐き気に苦しむ場合もあるので、窓を開けて云々」と書いてある。また「スイマーがチャネルグリースを塗るときに、特に船酔い状態の者はさらにその混合物の臭いで多くの人々が吐き気を催す」とも書いてある。
 この文章を読んで私も恐々作ったが、そんな臭うことはなかった。おそらくドーバーのラノリンは未精製か、その精製過程に問題があるように思われる。日本のラノリンは精製の精度が高いのか、「無臭」と言っても良いくらい臭わない。ただ、色がラノリンの色(淡黄色)で白くならなかった。
 尚、このチャネルグリースをキンちゃんと湘南の主さんに塗ってもらって淡島~大瀬崎2-way(約20km)を泳いでもらったが、「泳いでいるときはラノリン感覚の“持ちの良さ”があり、落とすときはワセリン感覚の“落ちの良さ”があった」とだいたいは好評だった。

5. 最後に

 ワセリンとラノリンは前にも書いたが、元来、薬品や化粧品の基材として使われている。どちらも“グリース”つまりネリ状の固体になった油脂なわけだが用途は同じでも性格はまったく異なる。
 ワセリンはいわゆる“油”。つまり水に相対する性格がある。しかしラノリンは水を吸収する性格がある。何もしないラノリンは淡黄色だが、水を吸収すると白く変色する。
P52700022 写真を見ていただきたい。これは今年(2008)5月27日にキンちゃんが淡島~大瀬崎間4-wayを泳ぐ直前の写真である。首周りや脇の下にタップリとラノリンを塗ってあるのはわかるが、“色”としてはあまり見えない。
P5270008_2 次の写真は大瀬崎で折り返すときに撮影したものである。首周りや脇の下が海水により白く変色している。これは海水をラノリンが吸収しているからで、「だから」と言っても良いほど“擦れ予防”としての効果は持続する。
 ただし、ラノリンを落とすときは厄介である。それでも男性はそうでもないが、女性は水着に着いたラノリンがなかなか落とすことが出来ず、キンちゃんに言わせると「プール練習で使い古した水着を着用すること。それでも海練習は3回が限度。それ以上になると水着がビニョ~ンと伸びて大変なことになる」のだそうだ。
 尚、スイミンググリースは薬品や化粧品の基材として使われているくらいだからほとんどのスイマーに問題は発生しないと思うが、“敏感肌のデリケートな人”には、例えば「ウールアレルギー」がある人などは、使用前に「パッチテスト」をお勧めする。いちおうは「ラノリンは最もヒトの皮脂に近い」と言われているが、念には念のためである。

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