ドーバーと津軽の海峡横断泳報告(2007)Vol.04(最終回)
今年を振り返って
ドーバーでの“6週間”という長いような、短いような生活の中で、初体験をかなりしたと思います。ふと思い起こせば2002年のリレーから5年もの歳月が経ち、その中での毎年のドーバー行き。毎日のプール練習、冬の海練習、津軽行きなど、言葉では言い表せないほどの夢に向って、日々の生活をまっしぐらに走って来ました。
今回は1-wayを2回泳いだ形になりましたが、「夢の2-way」は私にとって遥か彼方・・・。水平線の向こうのそのまたさらに向こうということを、今回は嫌というほど気付かされた次第です。
ドーバーに行く直前の日本の海練習で、「アイランドスイム2-way(城ヶ島~江ノ島間約20km×2)」を2回行いましたが、2回とも「あと3時間くらいで到着」という地点でリタイヤしました。ドーバー2-wayを実現させるには、「アイランドスイム4-wayが泳げないと無理だなぁ~。」と痛感させられたのです。
さてさて4-wayになるとまだまだ無理のようです・・・。
ドーバーの1-wayなら「泳げるようになった!」と確信しています。いちおうはもうベテランさんに入ったつもりで、「モチベーションをどうやって持っていったらよいか。」、「遠泳中、どういう考えに持っていったらよいか。」などが分かりました。
そこで今回の1回目のドーバー1-wayは「ベストタイム」を目指しましたが、なかなかどうして・・・。足が痛くなってもキックを続け、一心不乱に泳ぎ続けましたがドーバーの神様は、そうは簡単に問屋が卸してくれませんでした。
次の2-wayは天候で泳げるかどうか分からないまま船に乗り、とりあえずは2-wayの準備をして望んだのです。波が高く、その日に泳いだ私以外の泳者の全てはその波で止めてしまったそうです。でも私的にはけっこう泳ぎやすい波で、“乗り乗り”で泳いでいました。しかし徐々に足が痛くなり、1-wayで止めてしまいました。
フランスを折り返してから「まだ泳げ!」と言われたら泳げます。でも「2-way」と考えると私の足は持ちません。結局私は1-wayで止めましたが、皆さんはどう感じることでしょう?
今の私の実力で、ドーバー2-wayはまだまだ無理です。
今回のドーバー滞在中、主人が事故に遭いました。帰りたくとも帰れない状況。3日後、日本に戻り、その足で病院に駆けつけました。その後は津軽が2週間入っており、どうしたら良いのか、ずっと悩んでいました。「こんな状況で行って良いのか?」と。
半年前から決められていたこの計画に、周囲の皆さんも私が津軽で泳げるように手配してくれています。「どうしよう・・・」と考えている間に時間は過ぎ、主人も退院しました。そこで主人に相談すると、「1週間だけなら行っても良いよ。」と許可をもらうことが出来ました。
そして津軽に臨みましたが、あいにくの台風9号で泳ぐことすら出来ず家に帰りました。
家を出るときから台風が接近しているのは分かっていたことでしたが、自然相手ですからその後どうなるかは分かりません。しかし私が家を出るときから遠泳に関して批判的な人達から「こんなんで泳げるわけがない。」と言われていました。でも私は泳ぐことしか脳裏にありません。ですから帰宅すると非難轟々で、泳げずに終わって落ち込んでいる私の気持ちに、さらに鉛の重りを鋼鉄の鎖で結び付け、そのまま奈落の底に落とされたよう気持ちになりました。
2-wayが遥か彼方の夢。津軽も泳げず・・・。この5年間、絶えず批判的な人達から非難を浴び、「もうそろそろ私も遠泳を止める潮時かな・・・。」と思うようになりました。
お蔭様で1-wayを5回成功させることが出来ましたが、どれとて簡単なことではありません。いくら気持ちやモチベーションの持って行き方が分かったところで、トレーニングは継続しなければなりません。冬の海練習も必要となるので、仕事も休まなければなりません。時間を作る。お金も必要。またこの先、石井コーチにも頼まなくてはならない。いろんなことが私の脳裏を横切り、主人に「もう、海で泳ぐのを止めます。」と言ったら、「ボクは応援しているから、2-way泳いだら止めたら。」と言ってくれました。
それに仕事場の仲間達はいつも私が安心して泳ぐことが出来るようにバックアップしてくれており、これらの行為に対して私の気持ちはいつも感謝が絶えません。本当にありがたいことです。もちろん石井コーチは私から遠泳を止めさせることはないと思います。毎回、毎回サポートをしてくれ、ワガママな私にブツブツ言いながらも応援してくれます。そして岡崎のコーチ。私が通っているロイヤルの仲間達。まだまだたくさんの友達達が応援してくれています。
批判的な人達とは対照的に、「目標を持って生きていることがうらやましい。」と言われます。時折頼まれる講演でも、「夢を追い駆ける素晴らしさ」を話してきました。人生は一度しかありません。「あの時こうしておけば良かった・・・。」と後悔しないように、落ち込んでいた私は再び前向きに泳いで行こうと決意したのです。泳いでいる時も諦めてはいけないが、日常生活で出会う困難においても諦めてはいけないと思いました。こんな恵まれた環境があるのですから!
ドーバー、津軽でお世話になった皆さん、本当にありがとうございました。これからも私は泳ぎ続けます。よろしくお願いします!!
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