サイパン30時間泳の報告
2006年11月14日午前9時から翌15日午後3時まで、サイパンマリアナリゾート屋外プール(50m)にて、キンちゃんが30時間70km泳に挑戦し、無事、完泳しました。この時の模様をキンちゃんがレポートしてくれました。
ドーバー海峡は最短距離が約34kmである。来年、ここを私は往復泳(2way)したいと考えている。もちろん最短距離で行けるわけ無いが、最低でも30時間で70kmを泳ぐ能力を持っていなければならない。この「30時間」と言う数字はドーバーを完泳した人の、片道(1way)の平均時間が15時間程度から算出している。もちろん2wayは1wayの倍以上時間が掛かるとわかっているが、「最低ライン」と言うことで「30時間70km」を算出した。ちなみに私の過去3回ドーバーの1wayを泳いだ記録は、17時間03分、13時間41分、13時間35分である。
今回の企画、「30時間70km泳」も4回目になる。そのうちの過去1回は24時間でリタイヤした。残りの2回は何とか目標を達成している。もう少し記録を伸ばしたいところだが、仕事の関係上、練習不足もあるし、苦手な睡魔との闘いもある。まあ言い訳はこの辺にしておこう。
方法は1クール2時間とし、40分毎に補給食を取る。その他にトイレ時間を考慮し、1クールで合計5分までの補給とトイレ時間にした。つまり40分毎に補給、補給、補給とトイレ。これで1クール。これを15クール行えばよい。
補給品は飲み物。内容は炭水化物が主成分のパウダーと果糖をお湯で溶かし、紅茶や日本茶で味付けしたものを300ml作る。これが1回分で約食パン2切れのカロリーが摂れる。しかし現実には今回、途中から300mlが飲めなくなり、200mlに減らしてもらった。食べ物は用便を催す恐れがあるので控えた。
水着は競泳用の水着1枚にスイミングゴーグル、スイミングキャップ(シリコン)である。スイミングゴーグルは日中用の色の濃いカラーゴーグルと、夜間用の色の薄いカラーゴーグル、曇天用の色が中くらいのカラーゴーグル、以上3つを用意した。また身体にはラノリン(羊毛から取れる脂)を塗って磨れ予防にした。ドーバーのように水温が16℃程度だとラノリンは落ちにくいが、サイパンのプールのように29℃程度だとラノリンが溶け落ち、途中、首、股間が磨れ始めたので追加で塗った。
天候は晴れ時々大雨。南国の天気らしい変わりやすい天気だった。風はほとんど感じないほどの微風だったと思う。
14日午前8時20分にはプールに到着し準備を始める。日避け及び雨避けテントの設置、テーブル及び椅子の設置、ステップバン等、必要な設備の設置と記録紙、筆記用具、ストップウォッチ、食料、飲料水等、必要な備品を整理して整えた。
午前9時00分スタート。このプールのライフ・ガードでいつも私と一緒に泳いでくれるガーリー(フィリピン人)はこの日休みだったが、お昼前に自分の練習のためにやって来て、自分の練習の後に2時間ほど遅い私のペースに合わせながら、時に私もペースアップをしながら一緒に泳いでくれた。優しい人だ。「イサパー(「もう1回」:フィリピン語)」と私が言うと、もう1時間付き合ってくれたが、その後しばらくは50mプールでたった独りの水泳が続く。
午後3時辺りからいつものようにこのプールで行われるスイミングスクールの生徒さんたちが集まってきた。このプールのコーチも「また来たね。」と挨拶をしてくれる。もう30時間泳以外でも何回もロングを泳ぎに来ているので、慣れと言うか有名と言うか、とにかく親しみもって接してくれる。それでも夕方6時半くらいになるとみんな帰宅してしまう。またまたたった独りの水泳が続く。
夜8時くらいから眠気が襲う。ちゃんと寝溜めしたのになぁ~。仕事の関係上、早寝早起きが習慣についているせいか、いつも寝ている時間になると途方もなく睡魔が襲ってくる。眼を開けていることが出来なくなり、意識が遠のく。それでも不思議と手や足を動かし、呼吸もしている。が、壁にぶつかると眼が覚める。こんな不安定な状態が延々と続く。
南国の夜明けは朝6時頃だ。夜明けが近くなるとマスターズの練習が始まり、夜明けと共に少しずつ正気を取り戻してきた。マスターズ練習が終わると、そのスイマーたちは足早に仕事に出掛けて行ったようだ。日本での私の早朝練習と一緒だ。その後、再びガーリーが横を泳いでくれた。独りで泳ぐのは退屈である。このまま最後まで一緒に泳いでくれると助かるのだが・・・。
24時間を過ぎるとだんだん元気が出てきて「あと3クールだ!」、「70km泳げるか?」と心配になってきた。100m毎のペース配分表を作り、100m毎の計時をしている石井コーチから、「5秒速く泳げ!」と指示が飛ぶ。「これ以上無理だ!」と答えると、「もっとキックを打て!」と怒鳴られる。疲れているんだけどなぁ~、私・・・。
お昼の12時から一般の利用者が続々と現れてきた。やっと暇つぶしに眼の保養が出来る。隣で泳ぐ人を観察すると、両腕から背中にかけて立派な彫り物が・・・。何の絵か観ていると、フーっとまた眠気が襲ってきた。しかし“パッ”と目覚めた次の瞬間、少しずつキックを強めると足が動く。プルも強めると腕も動く。腕も足も動くわ、動くわ!!「よし、これなら行ける!」と確信した。
ターンする私に石井コーチは「残り4,000!」と上から叫ぶ。「あぁ、あと4,000m泳げば70kmになるのか!? よし、あのだらしない泳ぎから、日本チャネル・クィーン(日本のドーバー泳女王)としての本当はまだまだ余裕の力があるところを見せてやるー!!」とダッシュを始めたのである。きっと上から見ているガーリーや石井コーチ、彫り物のおじさんはビックリしたであろう。
70km泳スタート直後、1時間目のスピードに私は戻したのである。そして30時間の10分前に、70kmを突破した。それからはダウンがてら、ダラダラと泳いだのである。
やはり30時間と言うのは集中力に欠けてしまう。特に夜は時計が見えないので考えることがない。頭が空白になってしまうから寝てしまうのだろうか?
水温は29℃と暖かく、ラノリンは途中で取れてしまったので塗り直した。日焼け止めも塗ったものの、日差しが強いので背中全体は真っ黒になり、今回は足の裏まで焼けてしまい、靴を履くのも苦痛である。もちろん掌は真っ白にふやけてしまったのは言うまでもない。
終わってみると楽しかった30時間。一つ一つの時間帯にいろいろなドラマがある。そう、肩一つ痛くならなかったのが幸いであった。無事終わってホッとしている。
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コメント
キンちゃん
今晩は、30時間泳大変お疲れさでした。
相変わらず厳しい練習をされていますね。
私には想像もつかない世界です。
足の裏まで日焼けをしますか、海で泳ぐのと違い、プールでの泳ぎは単調になるので一人で泳ぐのは淋しいかな?
ゆっくり身体を休めて下さいね。
来年と言っても今年はもう残すところ1ヶ月
年があけたら早いですよ。
しっかり練習して是非、成功を願っています。
投稿 湘南の主 | 2006年11月29日 (水) 19時59分
湘南の主さん、おはようございます。応援ありがとうございます。のぞみのように月日が経つのが速いです。昨日は、6時間プールに浸かってました。まだまだ水の中に、いたいぐらいでした。気持ちよかったです。
投稿 キン | 2006年11月30日 (木) 09時15分